Series No.89 金子 亜未

2013年7月15日に行われたアフタートークの様子をご紹介します。

Q.金子さんがオーボエの説明をしてくださったときに、リードは演奏家が作るとおっしゃっていましたが、リードというのは、他の人(習い始めの人)が同じリードを使用しても、同じような音がなるのでしょうか?

リードは、本当に100人いたら100通り存在します。同じ人が作っても二度と同じものが出来ない、というぐらいすごく繊細なものなんですね。同じリードで、人が吹いたときに、やはり骨格だとか体のつくりによって音色が全員違うんですね。いくら楽器を変えようと、リードを変えようと、その人自身の音がします。

Q.例えば、ヴァイオリン、ギターとか、いわゆる「名工」「匠」と呼ばれる職人がいると思いますが、オーボエの場合、リードだけの「内匠」「プロ」というのはいないのですか?

リードだけを作って生計を立てている方もいらっしゃいます。一人ひとりによって、好みが全然違うので、リードだけ作っている方のリードが合えばすごく楽なんですが、あまり合うことがないので、やはり自分自身で作っていくという形ですね。

Q.金子さんがご自身で作ったリードはどのくらいの期間持つのですか?

材質によっても違いますが、すごくいい材料で作ると、何回本番をやっても持ちます。
しかし、あまりよくない材料ですと、練習1回したら終わり。という感じなので、努力が無駄になります。

Q.オーボエには名器と呼ばれるものはありますか?

好みによって違いますが、私は、パリの「Marigaux(マリゴ)」というメーカーがすごく好きで、日本だとN響の池田昭子先生が使っていらっしゃいますし、海外でも素晴らしい方がたくさん使用されているメーカーです。

Q.温かい、柔らかい音を出すコツを教えてください。

顔の骨を響かせるような感じで吹くといいと思います。ただ、お腹で支えて息を吹くのではなく、口の中の空気をすごく振動させて、その振動させた息を吹き込むことによって、音色が変わります。いい音を出そうという気持ちも大事です。

Q.リードの葦は国産ですか?またはヨーロッパ製ですか?

私が使っているのはフランス製のものです。最近では、中国製とかも出てきて、葦によって硬さ、質とかが全然違うんですけど、私は硬い方の材料を使って作っています。

Q.(平川さん)アンコール曲の「オーボエとピアノのための夏メドレー」の編曲をするにあたって、オーボエの息継ぎを考えながら編曲をされているのでしょうか?それとも、いたずらをして、息継ぎが出来ないような、ぎりぎり長く息を使わせるといった、いたずらな編曲はされるのでしょうか?

作曲家はオーケストラに出てくる、あらゆる楽器のすべての楽器法を勉強するんです。その中で、この楽器はこの音程が限度で。といった勉強をするんですけども、私の場合、いろんな楽器とか、歌の方とか、伴奏することで、実際その音、楽器の癖を実際演奏しながら習得していったことが多く、それが作曲に生きています。オーボエは木管楽器で一番息が長いんですよね。彼女の場合は、共演した年数が長いので、彼女ならできるとか、ここきついのは重々承知だけれども、彼女なら練習すればできるとか、ある程度わかります。金子さんという、吹く相手がわかっているときは難しいことがあっても、意図的なこともあります。実際彼女も、一か所「ここが難しい」と、ずっとさらっていたところもありましたね。

Q.(金子さん)オーボエを始めたきっかけは何でしたか?もし、オーボエ奏者にならなかったら、どの楽器の奏者になってみたいですか?
Q.(平川さん)ピアノ・作曲を始めたきっかけは何でしたか?ピアノ以外にやってみたい楽器はありますか?

(金子さん)小学校4年生の時に管弦楽部でオーボエを始めました。その時にオーボエがちょっと人数が足りないということだったので、楽器自体は知っていたのでやってみようかな。ということで始めました。その時に、先ほどからお話をしております、リードがその時は楽器屋さんから買っていたものでしたが、初心者なのでうまく扱えず、すごく割れちゃって、音が出なくて、オーボエを壊したかもしれない。と思って、怖くなって、「ヴァイオリンに移りたいんですけども。」と言ったことがあるので、たぶん、オーボエでなかったら、ヴァイオリンをやっていたのではないのかなと思います。

(平川さん)私が作曲を始めたきっかけは、幼少期におもちゃのピアノを両親が買い与えてくれて、それを遊び弾きしていたそうです。それを見た両親が、この子は音楽が好きそうだから、アップライトピアノがあったらいいんじゃないかと買ってくれて、それでも遊び弾きをしていて、その延長ですね。ピアノより作曲の方が先です。楽譜を見ながら弾いたのはピアノが来てから、結構あとでした。ピアノ・作曲じゃなかったら、学校では邦楽科の人と間違えられることがあります。和楽器の方と間違えられることが多くて、私も副科でやったこともあり、すごく大好きで、和楽器科です。と言ってみたいですね。

以下は、当日のアフタートーク中にお聞きできなかった質問を、後日、金子さんにご回答していただき、掲載しております。

Q.私もオーボエを吹いていますが、妖艶さを求められることが多いのですが、金子さんは曲を吹くときにどんなことを意識して吹いていますか?また、 艶っぽい音をどうしたら出せますか?

その曲の全体の雰囲気や、そのフレーズの雰囲気を考え、場面にあった歌い方や音色などを伝えられれば、と思っています。言葉で説明するのが難しいですが、できるだけ、上顎の辺り?を響かせたり、体をリラックスさせることを考えています。

Q.吹奏楽部でオーボエをやっているのですが、口に力を入れてしまったり、臨んだり癖がついてしまうのですが、どう対処すれば良いですか?イングリッシュ・ホルンについても教えてほしいです!!

私も以前はそのようなタイプでした。私の場合は、リードの種類を変えることにより改善することができました。まずは、なるべく負担がかからず、楽に演奏できるようなリードを探してみてください。

Q.オーケストラの音合わせにオーボエに合わせるのは何故ですか?(初歩的な質問で申し訳ないですが)

色々な説を聞いたことがあるのですが、オーボエは他の楽器に比べて音程を変えるのが難しいので(リードによって音程が変わるので)合わせてもらっていたことから、オーボエでチューニングすると言われています。

Q.一本のリードは何回(何時間)位使うのですか?予備として何本位を用意しますか?

リードは、良い材質だったり、組み立てが良かったり、良い条件が揃うと本番を何回もできるくらいですが、作ってもほとんどハズレのものなので1~2日でダメになることもあります。リードケースには沢山入っていますが、本番で使用できるようなリードは数本入っております。

Q.肺活量は何cc位ありますか?息継ぎなしで何分間くらい音を出せますか?

昔肺活量をはかりましたが、詳しい数値は忘れてしまいました。恐らく、3000またはそれ以上あったと思います。小さい頃、水泳をやっていたので、多めではあると思います。
個人差はあると思いますが、昔計測してみたところ、1~1分半続いたと思います。