Series No.104 荒木 奏美

2016年7月10日に行われたアフタートークの様子をご紹介します。

Q.演奏家になるために必要なことは何ですか?
荒木:演奏家になろうと思ってなったのではなく、自然に音楽をやっていたいと思って今に至ります。どこからが演奏家かわからないのですが、身近なところからプライベートな空間で人に披露したり、こういう大勢の人の前で披露したり、または家で友達と楽しみながら披露したりとすべての音楽を楽しんでいけば、自然と“演奏家”になれるのではないでしょうか。
宇根:私もほとんど一緒で、演奏家というのは人の前で演奏する人のことを言いますが、演奏というのはすごく無限に広がっていると思います。お客さんが1,000人であろうと30人のサロンでも、私はあまり変わらないと思うんですね。演奏の響きとかはもちろん違うのですが。どんどん人前で演奏する機会を自分で積極的に持って行くことが大事かなと思います。

Q.今日の演奏を聴いていて、オーボエはすごく体力がいる楽器だと思いましたが、何か基礎体力づくりなどやっていらっしゃるのでしょうか?
荒木:私はよく運動が好きで、小さいころにやっていたのが、水泳やマラソンをやっていました。今となってはやっていてよかったなと思います。今は特になにもしていなくて、楽器を吹くだけでかなりトレーニングになるので、楽器を吹きながら体の使い方を自分で覚えていくようにしています。

Q.オーボエを始めたきっかけは何でしょうか?
荒木:小学校の時にブラスバンドに所属していて、小学2年生の時に吹奏楽をやりたいと思い入部しました。最初はクラリネットを渡されて、1年間経ってからオーボエを吹くようになりました。というのは、オーボエがすごく難しい楽器として有名で、世界一難しい楽器として「ギネスブック」にも掲載されています。そういう理由で学校の先生が「クラリネットで1年修行してからオーボエをやりましょう」と言われ、それで始めたのがきっかけです。

Q.人前で演奏する時に緊張してしまいます。緊張をほぐすために何かコツとかありますか?
荒木:緊張は私もしますが、緊張をしないということが逆に珍しいことなので、緊張とどう向き合うかを考えてみてください。もし緊張していたら、「今、緊張しているな」と思って、緊張しているのを受け入れるようにしています。
宇根:ある時、大好きなホロヴィッツ(ピアニスト)の本を読んだ時に、70歳、80歳になっても僕は舞台に出る前にお客さんを見てぶるぶる震えているんだよというセリフを読んで、ベテランの巨匠でも緊張するならしょうがないと受け入れています。手が震える時もあるし、足が震える時もあるんですけど、遅かれとも思いつつ、客観的に緊張している自分を見ながら、緊張とも仲良くなれるとだんだん緊張もなくなると思います。

Q.オーケストラとソロではどのような違いを意識して演奏されていますか?
荒木:オーケストラの場合は、ホールが違うというのが私は一番大きいと思います。ホールの違いで鳴らし方を変えていますし、直線的というよりは響きがうねるような感じで。他に違うところは、合わせる人数が多いので、いろんなアンテナをソロの時よりも張るようにしています。特に吹き方で大きな違いはないので、ソロはオケにつながっていると思いますし、オケの活動もソロにつながっていると思います。一つ例を出すと、ピアノの音ですが、ピアノの右手はヴァイオリンで、左手はチェロに聴こえたり、ピアノからも色々な音色を想像できるようになりました。

Q.普段どのような練習をしていますか?今まで練習してきた中で、効果的な練習方法を教えてください。
荒木:私は練習をしながら練習方法を見つけていることもあり、何とも一概には言えませんが、とりあえず、種類に分けて練習をしています。「今は指を練習するとき」「表情を練習するとき」「音色を研究するとき」「全体を通して客観的に曲を見るとき」など、区分わけをしながら練習をしています。今でもこの練習方法がいいというのはなくて、やりながら自分と対話しながら、良い練習方法を見つけています。
宇根:私はピアノなので、管楽器より練習時間が長いです。昔はひたすら練習していて、受験の時は一日9時間ぐらい練習をしていました。効果的な練習方法は、良い楽器で、響きの良い場所で練習を心掛けるようにしたらよいと思います。