Series No.106 毛利 文香

2016年12月18日に行われたアフタートークの様子をご紹介します。

Q.本番に緊張したり、固くなったりすることはありますか?また、伸び伸びと演奏するための秘訣はありますか?
毛利:私はいつも本番は緊張するので、私がいろんな方に聞きたいぐらいです。(笑)やっぱり、集中することと、熱い気持ちとともに冷静さも必要だなといつも本番の時に思っています。毎回本番で学んでいくことが大きいのですが、身体的な面で言ったら、重心を下げるようにしたり、まずは落ち着くことが、良い演奏につながると思っています。いつも本番でいろいろ試して、気を付けながら毎回学んでいるという感じです。
原嶋:私もとても緊張するタイプなのですが、今日みたいに共演者がいる場合は、その方のパワーを私も受け取って、同じ音楽にできるというのが楽しいなと思っています。
私は本番前に必ずチョコレートを食べています。そうすると、甘くなって、私の心も落ち着くような気がするので、いつもチョコレートを食べています。


Q.本日のプログラムノートにイザイの曲はティボーに献呈されたり、ラヴェルの曲はエネスコが初演されていると書いていますが、そういう人たちの演奏は聴かれますか?また、その演奏を聴いて、どんなことを感じますか?ピアニストですと、コルトーなどいますが、いかがでしょうか?
毛利:正直、ティボーやユネスコの演奏は聴いたことがないです。例えば、イザイの4番のソナタはクライスラーに献呈されているのですが、クライスラーの作品集をクライスラー自身が演奏しているCDを聴いたことがあります。そういう昔のヴァイオリニストもときどき聴いてみるのもすごく新鮮な発見があったりするのかなと思います。時々聴くのはいいかなと思います。
原嶋:コルトーでしたら、ショパンのエチュードにコルトー版というのがあります。それは普通のエディションとは全く違っていて、コルトー自身がこう練習すればいいとか、楽譜に解説が書いてある版です。それは、先生にも参考にしたらと言われて、私もその楽譜を持ってきて、練習することもあります。昔の演奏家の演奏は、私もときどき聴いていて、面白い発見があるので、参考にしたいなとは思っています。

Q.本日演奏したイザイの2楽章で使われた「弱音器」とはどのようなものですか?
弱音器というのは、2楽章を演奏する前に、見ていらっしゃった方は分かったと思いますが、ヴァイオリンには駒というのがあって、それが弦を支えています。その駒の上に、黒い小さい部品みたいなものをかぶせるんですね。それをかぶせると、駒の振動を抑えることになりますので、それで音が小さくなって、少し籠ったような音になります。弱音器にもいろんな種類や形があり、弱音器によっては音が変わります。あとは演奏家で旅行が多い方ですと、ホテルで練習する時に大きい音では練習ができないので、大きなミュートを持ち歩いていたりしている人もいます。

Q.プロフィールを見ますと、音大を終わってから、今、慶応義塾大学文学部に在籍していると思いますが、なぜ、文学部なのでしょうか?
今は、慶応大学を休学してドイツに留学しています。まず留学を考えた時にドイツに留学したいというのがありました。なんで文学部を選んだかというと、やはり文化だったり、歴史だったり、そういう文系の科目に興味があり、特に語学に興味がありました。慶応の文学部は2年生から専攻が分かれるのですが、1年生の時に2年生から何を専攻しようかなと考えた時に、まずドイツの留学を考えて、語学をすごく頑張りたいと思っていたので、現在、独文学専攻に進んでドイツ語を勉強しています。ドイツに留学した後は、私もドイツ語を使うべきなのですが、学校や先生が英語ばかり話すので、ドイツ語を忘れ始めています(笑)。また、慶応に戻って、卒業したいと考えているので、ドイツ語を勉強しようと思っています。