グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



トップページ >  インタビューノート  >  「アヌーナ」マイケル・マクグリン

「アヌーナ」マイケル・マクグリン




2014年11月23日開催アイルランド・ケルトのコーラス「アヌーナ」出演

美しいものをできる限りシンプルな方法で人々に伝え、共有したい。

アヌーナ代表マイケル・マクグリン

日本についての感想をお聞かせください。
 日本はとても多面的で奥が深く、一言でその印象を語ることはできませんが、精神性ということでは他のどの国とも違うものがあります。
 日本人にとっては当然の事なのでしょうが、日本人の「きめ細やかさ」は、他に類がないと思います。細部まで徹底的にこだわることにより、日本人特有の美学が生まれ、それが機能的に働いているのです。アヌーナは世界各地で演奏してきましたが、日本人の「きめ細やかさ」は特筆すべき点だと思います。

アイルランドについて教えてください。日本と何か共通するものがありますか。
  日本とアイルランドの最大の共通点は、土と共にある、つまり人と自然との繋がりだと思います。この点は、日本に来る度、いつも感じることです。アイルランドも海に囲まれた島国で気候が似ていることも一つです。また、アイルランド人は、カトリック教徒でありながら本来は多神教で、自然界の多くの神々を崇拝する、日本人と同様の宗教観も持ち併せています。これは、アイルランドの歴史を紐解けばわかります。他のヨーロッパ諸国では失われてしまったものがアイルランドにはまだ残っており、これらが特有な文化を形成しているのだと思います。
 しかし、こうした両国の共通点が文化的・音楽的な共通点を生みだしているわけではないと思います。大切なことは日本人には美しい音楽を美しいと感じる豊かな感性や素養があり、我々の気持ち、つまり「心」が日本人と通じ合い、互いにより共感できるということです。日本の人々は歌を通して我々を理解し、その芸術性を感じ取ることができるのです。

アヌーナ代表マイケル・マクグリン

アヌーナの特徴を教えてください。
 2年前、日本のテレビ局の番組で歌手の松任谷由実さんがダブリンの教会で行われたアヌーナの演奏を取材に来たことがあります。私たちは中世のコステュームを身に付け、キャンドルを手に持ち演奏しました。この演奏スタイルがアヌーナの基本であり特徴です。 
 「美しいものをできる限りシンプルな方法で人々に伝え、共有したい」という信念で四半世紀に渡り自らのコーラス方法を開発してきました。シンガーとして、声の美しさだけでなく、曲の持つ意味を咀嚼し人々に伝えること、また美しいと
いうことは、身なりや振る舞いもそうであることが要求されます。人は誰でも美しいものを見れば心を動かされますよね。
 コーラス・グループはそれぞれの方法で演奏しますが、アヌーナ方式の最大の特色は、指揮者は登場せず、歌い手一人一人がその役割を担っているということです。また、根幹をなす呼吸や発声を極力自然に行なうことに重点を置いています。子供がするよう、背筋を伸ばし、空気の流れに沿って自然に声を出し、我々が成長するに従って忘れてしまったり、意識的に隠そうとしたりする部分をさらけ出すことにより、歌い手の本質を引き出すことを目指しています。自然で自由であることが重要なのです。

今回特別にプログラムの中に日本の曲”さくらさくら”と”もののけ姫”があるとお聞きしました。
 「さくらさくら」は江戸時代にできた曲だと聞いていますが、繰り返す自然の営みを歌ったもので、単純な音符にも関わらず、詩の持つ意味の素晴らしさに感動し、この曲を選びました。アイルランドにも共通する詩の文化が存在するの
で、作曲家として、これらを結びつけ作品に仕立てました。もう1曲は、宮崎アニメの「もののけ姫」のテーマ曲です。このアニメ作品には様々なテーマがありますが、悪人は一人として登場していません。自然は本来美しいものとして描かれるのですが、この作品ではおぞましい光景が各所に描かれており、他の作品とは一線を画しています。自分が宮崎作品のファンであること、素晴らしいメロディー、わかりやすい言葉、また、この曲を歌っているカウンターテナー(米良美一氏)の素晴らしい歌声にも感銘を受けました。私の子供たちもこの作品やテーマ曲が大好きで、アイルランドの子供でさえ、彼らなりに理解し、何らかの繋がりを感じているのです。
 今回、アヌーナの公演を聴きに来てくださるお客様は、それまで抱いていたコーラスのイメージとはがらりと違う演奏スタイルや雰囲気にびっくりされると思います。まさに会場と舞台のアヌーナが一体となるのです。また、今回は、地
元の素晴らしい子供たちとのコラボも予定しております。是非会場に足をお運びください。

アヌーナ代表マイケル・マクグリンとメンバーのローラ・インマン

「中世のアイルランドの音楽を現代に蘇らせる」 というコンセプトのもと、1987年にダブリンの作曲家マイケル・マクグリンによって結成された男女混声の合唱団。
マイケルが発掘した中世アイルランドの 聖歌、大衆的な伝統歌、オリジナル曲など多彩な楽曲。
歌詞はラテン語、英語、ゲール語を巧みに組み合わせ、中世の歌を現代的、時にシュールなアレンジで聴かせる。初期「リバーダンス」のワールド・ツアーに参加、アイリッシュ・チャートで1位、UKチャートでトップ10入りし、世界的に高い人気を誇る。
メンバーは設立当初から流動的で常に交代を繰り返しており、これまでに100名近い歌手がアヌーナに参加した(ケルティック・ウーマンのメイヴやリン・ヒラリーも一時在籍)。現在は10~17名の若きシンガーを中心に編成されている。


アルバム
『クリスマス・ウィズ・アヌーナ』VIVO-261 2011年
『ベスト・オブ・アヌーナ』VIVO-260 2011年
『サンサシオン~ケルトの頌歌』VIVO-252
『シナラ~神秘のケルティック・ヴォイス』VIVO-237 2007年
『ウィンター・ソングス』VIVO-215 2005年

アイルランド・ケルト「アヌーナ」