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【ピアニスト】チョ・ソンジン


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2018年1月23日(火)開催 アクト・プレミアム・シリーズ2017 出演
【ピアニスト】チョ・ソンジン インタビュー

2009年浜松国際ピアノコンクールで史上最年少の15歳で優勝、そして2015年のショパン国際ピアノコンクールを制したチョ・ソンジンさんが浜松に帰ってきます!
今や、世界の音楽界で最も注目されるピアニストの一人となったチョさんは、1994年韓国生まれの23歳。浜松での優勝を機に、日本ではすでに知られた存在でしたが、世界最高峰といわれるショパンコンクールでの優勝で、現在は年間約100回ものコンサートを行うため、世界中を飛び回る生活を送っているそう。多忙を極める中、日々進化し続けるチョさんに、お話をうかがいました。

浜松での一番の思い出を教えてください。

 日本で初めて訪れた場所であると共に、アカデミーやコンクールにも参加した思い出の地。
私にとって浜松は、とても縁の深い特別な街です。

浜松国際ピアノコンクールを受けた時と、ショパンコンクールの時では、雰囲気や臨む気持ちなど、どのような違いがありましたか?

 浜コンに出場した時はまだ15歳で、コンクールというものがどんなものか、何もわかっていなかったので、ある意味気が楽でした。大人になって受けたショパンコンクールの方が断然緊張しましたね。
日本はホールや周辺施設、練習環境も素晴らしいですし、ボランティアの皆さんも大変親切で、コンクールの期間中とても快適に過ごすことができました。

今回演奏されるプログラムは、ベートーヴェン、ドビュッシー、ショパンの中でも有名な曲ばかりが並びます。聴きどころについて教えてください。

 ベートーヴェンは、子供の頃から常に勉強したいと思ってきた作曲家で、これから長い人生をかけて取り組んでいきたいという気持ちから、今の時点で一度弾いておきたいと思いました。「悲愴」は昔から弾いてきた曲で、30番は今回初めて挑戦しますが、後期3大ソナタには強い憧れがあり、いつか必ず弾いてみたくて…。何となく、この2曲の組み合わせが良さそうだと思って選んだだけで、特に深い意図はありません(笑)。
 ドビュッシーの「映像」は、11月22日にリリースされたニューアルバムにも収録されているお気に入りの曲。ショパンのソナタ第3番も初めて披露する曲ですが、ショパンのレパートリーについては今後も増やしていく予定です。

それぞれの曲について、他のピアニストの録音は聴いていますか?

 ベートーヴェンのソナタは昔から多くの録音を聴いてきましたが、アルトゥール・シュナーベルの解釈が好きですね。ラドゥ・ルプーの「悲愴」や30番もすごく良いです。
 ドビュッシーの「映像」はアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの演奏が一番好きです。ショパンのソナタ第3番は、若い人も上手な人が多いですよね。ショパンコンクールで一緒だったケイト・リウや、グリゴリー・ソコロフの演奏からもさまざまなインスピレーションを得ました。

第7回浜松国際ピアノコンクール本選

浜コンで優勝された時からこれまでに、環境の変化や心理的な変化はありましたか?

 一番の違いは、やはりショパンコンクールで優勝したことで圧倒的に忙しくなったことでしょうか。8年前は韓国で暮らしていましたが、その後フランスに留学し、生活環境は大きく変わりました。15歳の時の記憶はあいまいですが、内面的な部分ではさほど変わったことはないと思います。当時も新しい曲を覚えることや音楽を聴くことが好きでしたし、ラドゥ・ルプーを好きだったことも今と一緒ですから。

2018年には第10回コンクールが開催されます。
コンテスタントたちに何かアドバイスをお願いします。

 浜松はうなぎが美味しいので、ぜひ食べてみてください(笑)!

これまでの演奏人生の中で、一番記憶に残っているコンサートは?

 多くて選びきれませんが、2005年3月にソウルであった人生初のリサイタルでしょうか。同じくソウルで昨年開かれた、ショパンコンクールのガラコンサートも印象に残っています。

10年前に思い描いていた未来と、現在の自分を比べてどう思いますか?
また、10年後ご自身はどんなピアニストになっていると思いますか?

 10年前は中学生で、ピアニストとしてのキャリアをどのように積んでいくか、まだよくわかっていませんでした。
10年後も今のように演奏し続けていられたらうれしいです。

世界各国のホールで演奏されていますが、ピアノを選ぶ時はどんなピアノを好んで選ぶのですか?

 ホールにおけるピアノ選び、実はすごく簡単です。
というのも、素晴らしいピアノが2台あるということは極めて珍しいので。カーネギーホールではかなりタイプの違うピアノが2台あったので難しかったですが…。そんな時は、ホールの響きによって選び方を変えています。大きいホールであれば音の出るほうを、小さいホールであれば繊細な音の出るピアノを選びます。
 もともと1台しかない(選ぶことができない)ホールも多いので、そういう時は運命だと思ってそのピアノと仲良くするしかないですね(笑)。

第7回浜松コンクール表彰式
(左)中村紘子審査委員長、鈴木康友浜松市長

人生観についても伺いたいのですが、チョさんは運命論者ですか?それとも現実主義者ですか?

 半々だと思います。例えば、私がショパンコンクールに出たのは自分自身の選択ですが、そこで優勝するというのは自分で選べることではありません。とはいえ、人生において運や偶然というものはあるように思います。

ピアニストとしてではなく、ひとりの人間としてどのように生きて行きたいと思っていますか?

 難しい質問ですね! 私も人間なのでいろんな欲はありますが、自分がやりたいことをできないのは仕方ないとしても、自分がやりたくないことはやらないで済む人生を送りたいです(笑)。

最後に、浜松のファンにひとことお願いします。

 浜松では、いつも幸せな気持ちで演奏してきました。ホールの音響も素晴らしいですし、久しぶりの演奏をぜひ楽しみにしていてください。
来年1月にお会いしましょう!
5月18日(株)ユニバーサルミュージックにて  文/劉優華 撮影/(公財)浜松市文化振興財団

11月、腱鞘炎で演奏をキャンセルしたラン・ランの代役として、世界最高峰のオーケストラであるベルリン・フィルとの共演が実現したチョさん。公演終了後、急きょ電話でお伺いしました。

 ベルリン・フィルとの共演は、ピアニストを目指すようになってからずっと描き続けてきた夢だったので、今回抜擢していただいたことは本当に光栄で、信じられないような出来事でした。ベルリン、フランクフルト、香港、ソウルの4都市でラヴェルのピアノ協奏曲を共演しましたが、指揮者のサイモン・ラトルさんをはじめ、オーケストラの皆さんが温かく迎えてくださったおかげで、すばらしい舞台に立つことができました。この共演のために尽力してくださったすべての皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。
いつの日かまた、共演者として指名してもらえることを目標に、これからも邁進していきたいです。

アクト・プレミアム・シリーズ2017
チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル

2009年浜松そして2015年ショパン国際ピアノコンクールの2大コンクールを制したチョ・ソンジン、
今や世界のピアノ界で最も注目されるピアニスト!


2018年1月23日(火) 19:00開演 
●アクトシティ浜松 中ホール
●入場料(全席指定)
 S席 5,000円 A席 4,000円 学生 1,000円(当日指定・24歳以下)


公演の詳細は、こちらをご覧ください。