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【ピアニスト】ウラディーミル・アシュケナージ


アクト・プレミアム・シリーズ2019の最初を飾るのは、ピアニスト・指揮者として輝かしいキャリアを誇るアーティスト、ウラディーミル・アシュケナージさん。指揮者としては何度も来日されるなか、今回はピアニストとして長男でピアニストのヴォフカさんと共演します。若いピアニストについて、デュオツアーの見どころなどについて語っていただきました。
協力:株式会社 AMATI

初来日されてから50年以上がたちますが、日本のオーケストラや音楽家、聴衆に対してどのような印象をお持ちですか?日本に対する印象は昔と今で違ってきていますか?

©Keith Saunders

 日本のオーケストラ、音楽家の規律正しさにはいつも感銘を覚えます。もちろん技術的にも世界トップクラスで、彼らと一緒に音楽ができることをとても幸せに思います。また、日本の聴衆は世界一だと思います。音楽への造詣も深く、演奏を聴くときの集中力は尊敬に値します。世界のどこにも日本ほどの静寂と緊張感のあるコンサートホールはないと思います。昔と今?私は初来日のときから日本が本当に大好きです。その気持ちは来日の度に強くなっていると思います。

様々なポストを歴任され、演奏活動も精力的に行われていますが、エネルギーの源は何でしょうか?

音楽と家族が私にとって最も大切なものです。あえて言うなら音楽や家族への愛がエネルギーの源でしょうか。

今回は、長男ヴォフカさんとの親子共演ですね。
見どころを教えてください。

 息子ヴォフカとのデュオを私はとても楽しんでいます。私たち二人の音楽感はとても似通っているので合わせることに努力は必要ありません。音楽を深めることに純粋に集中できるのです。私の妻もピアニストであり、子供たちのまわりには常に音楽、ピアノの音がありました。私が毎日練習するのを聴いて育ったのです。私たち家族が音楽によって精神的にひとつに結び付いているのです。

現在、注目している若手ピアニストや指揮者はいますか?

 数ヵ月前にアイスランド交響楽団との演奏を聴いてくださった方も多いでしょうが、Nobu(辻井伸行)は本当にいいピアニストだと思います。性格もいいし、あれだけ純粋に音楽と向き合っている若者は最近では珍しいのではないでしょうか。彼とは日本だけでなく、ヨーロッパやオーストラリア等でも何度も共演しています。

コンクールの審査委員も多く務められて、ご自身も若くして名だたるコンクールに入賞されています。若いピアニストが世界的に活躍するためにはどんな資質が必要でしょうか?

 若い音楽家は音楽のことを考えるべきで、キャリアのことを考えてはいけないと思っています。そして難しいパッセージを完璧に演奏することよりも、一流の作曲家の素晴らしい音楽を聴き手に届けること、それが最も重要なことです。

幅広いレパートリーの中で、長く取り組んでいるものはありますか?そしていま現在、心惹かれるものはなんでしょうか?

 どれかひとつをあげることはできませんが、ラフマニノフのピアノ作品は全てを演奏、録音もしました。
今回も2台ピアノのための「組曲第1番」を取り上げますが、どの作品にもピアニストでもあった彼の特性が活かされていますし、楽器の鳴り方も素晴らしいのです。今回のデュオツアーでは、ラフマニノフに加えてシューベルト、ブラームス、ラヴェルの作品を演奏します。異なる時代、異なる精神的背景を持つ作品を弾いて、それぞれの作曲家が聴衆に伝えようとしたことを探り、それぞれの作品と一体化することができるのは何よりも魅力的なことです。
そして、天才たちの努力の結晶である作品を演奏できるのをとても名誉なことだと思っています。

2018年11月にはアイスランド交響楽団とアクトシティ浜松にいらっしゃるなど、指揮者としてもご活躍です。指揮者としてオーケストラを率いることは、ピアニストとしてオーケストラと向き合うことと、意識的に違うことはありますか?

 音楽への向き合い方はどちらも同じです。ただし、指揮の場合はオーケストラの皆さんが助けてくれますが、ピアノの場合は誰も助けてくれません。それが大きな違いですね。

日本食や日本特有の習慣でお気に入りはありますか?

 お寿司はもちろん日本食はなんでも好きですし、コーヒーより緑茶をよく飲みます。それから相撲が大好きです。

最後に、浜松でのコンサートを楽しみにしているお客様へメッセージをお願いします。

 2台ピアノのための作品はあまり多くはありませんが、その中から私が感銘を受け、皆さんにも楽しんでいただける曲を選びました。アクトシティで皆さんにお目にかかれるのを楽しみにしています。

アクト・プレミアム・シリーズ2019
ウラディーミル&ヴォフカ・アシュケナージ〈ピアノ・デュオ〉

2019年5月13日(月) 19:00開演 
●アクトシティ浜松 中ホール
●入場料(全席指定)
 S席 10,000円
 A席 8,000円
 B席 6,000円
 学生B席 3,000円(24歳以下)
 ※未就学児の入場はご遠慮ください。

公演の詳細は、こちらをご覧ください。