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作曲家紹介

HATTORI Katsuhisa服部 克久

服部 克久

フランス、パリ国立高等音楽院修了。
日本を代表する作編曲家として、映画「連合艦隊」、アニメ「トム・ソーヤの冒険」、フジテレビ「ミュージックフェア」、NHK 連続ドラマ「わかば」をはじめ幅広い分野で活躍。又、国内唯一のプロポップスオーケストラ、東京ポップスオーケストラを結成。日本人初となる米国国連総会会議場での演奏やカーネギー・ホールにてニューヨークポップスとのコラボレーションコンサートなど、その活動は海外からも高い評価を得ている。音楽家という枠を超え、イベント・プロデューサーやピアニスト、指揮者、司会者としてテレビに出演するなど、才気あふれる活躍が注目を浴びている。現在、日本作編曲家協会会長、東京音楽大学特別招聘教授として日本の音楽シーンの発展に尽力している。オリジナル曲を集めた「音楽畑」シリーズは20作を数え、主な作品にTBS系列で放映された「新世界紀行」のテーマ曲“自由の大地”や、“すごい男の唄”、“ル・ローヌ”などがある。2007年には服部良一生誕100周年を記念して、長男の隆之とともにトリビュートアルバムの制作及び、コンサートをプロデュース。大きな話題をよんだ。又、2009年に音楽家生活50周年を迎え、アルバムを2枚リリース。50人を越える弦楽器奏者とハープ2台で編成されたスペシャル・オーケストラと共に、記念コンサートも開催した。
2014年音楽家生活55周年、喜寿を記念し、アルバム「77-55 ~Past, Present & Future~」と11年振りに「音楽畑21 – Virtuosi -」をリリース。
9月・10月には記念コンサート「THE FEAST」を大阪・東京の二大都市にて開催した。

星への誘い -Invitation to the stars-

[ 作品解説 ]

もともと「星界の紋章」というアニメシリーズのテーマとして作曲したもので、広大な宇宙空間を航行していく宇宙船軍団というイメージです。同じメロディのテーマが各楽器によって、繰り返されますがバックの音に埋もれてしまわないようにしっかり演奏して下さい。曲の後半に行くにしたがって、アッチェルランドとクレッシェンドで盛上げていって、エンディングのホルンは思い切ってフォルテッシモで音を割るような雄叫びのような感じで演奏して下さい。出来るだけ長く伸ばして最後はピアニッシモでおわります。

[ 編成 ]

Flute 1,2
B♭ Clarinet 1,2
E♭ Alto Saxophone
B♭ Tenor Saxophone

B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba

Timpani
Percussion (S.D. / B.D. / Sus.Cym. / Glock. / Tambourine )

Tango Appassionato

[ 作品解説 ]

タンゴと言えば普通アルゼンテインタンゴとコンチネンタルタンゴの2種類に大別されるのですが、最近ではアストル・ピアゾラ作曲のリベルタンゴがヨーヨーマのチェロ演奏によりリバイバルヒットした事も有ってピアゾラ風モダンタンゴというジャンルも確立されて来た様な気がします。30年程前にカラカスのある音楽祭でピアゾラに会った事が有りますが、非常に血の気の多いひとで、成る程あの性格ならあんな曲を書くなーと感心した覚えが有ります。
この曲もピアゾラを意識して書きました。fはうんと激しく、pはうんと優しく演奏して下さい。日本人はどうも愛情の表現が下手だと言われていますが、この曲を演奏する時は自分がアルゼンテイン人になった積もりで、恥ずかしさをかなぐりすててうんと情熱的に行ってみましょう。

[ 編成 ]

Piccolo
Flute
Oboe
Bassoon

B♭ Clarinet 1,2,3
B♭ Bass Clarinet

B♭ Soprano Saxohone
E♭ Alto Saxophone
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone

B♭ Trumpet 1,2,3
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass

Timpani
Percussion ( Sus.Cym. / Tom-tom / Xylo. / Tubular-bells / S.D. / B.D. / Tambourine)

Mato Grosso 2014

[ 作品解説 ]

ブラジルのギタリストにバーデンパウエルと言う名手がいる。
パウエル奏法という言葉がある位だから、ギターがめちゃ上手の天才ギタリストであることは言うまでもないが、作曲者としても数々の名曲を残している。なかでもブラジルの民族楽器のビリンバウにインスパイアーされて作った「ビリンバウ」は世界中の名ギタリスト達がカバーをしている名曲だ。
1970年代に彼が来日した時、NHKの番組に出演し、僕が音楽監督を担当した縁から親しく付き合わせて頂いた思い出がある。その時に聴いた「ビリンバウ」の印象は真に強力で、その後、二度ほど訪れたブラジルの想い出とも重ね合わせて、「マトグロッソ」と言う曲を音楽畑アルバムに収録した。今回、ブラスバンドのために大幅に手を入れ、リアレンジしたのが今日お聴き頂く「マトグロッソ 2014」である。
ビリンバウという楽器は元々、弓の弦をはじいて遊んでいるうちに段々楽器として認知されるようになったと聞いている。演奏にあたってラテン楽器を担当するプレイヤーは、譜面をある程度マスターしたら、アドリブ奏法を取り入れて自由に演奏して欲しいと思う。マトグロッソは緑濃いアマゾンの森の意味で、密林の奥深く潜んでいる極彩色の熱帯の鳥や動物たちを頭に描きながら、神秘的な森の静けさと爆発するアマゾンの躍動感とを、コントラストを持って表現して欲しい。
(服部克久)

[ 編成 ]

Piccolo
Flute 1,2
Bassoon

B♭ Clarinet 1,2,3
B♭ Bass Clarinet

E♭ Alto Saxophone 1,2
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone

B♭ Trumpet 1,2,3
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass

Synthesizer

Percussion
(Maracas / Berimbau / Surdo / Marching Bass Drum / Clabes / Cabasa / Tambourine / Xylophone / Glockenspiel / Vibraphone)

希望の世界を目指して

[ 作品解説 ]

この二、三年間世界は激動の時代を迎えている。シリアやアフリカでは戦争が絶えないし地球自身も温暖化や寒冷化や、こんなに傷付いて悲鳴をあげている。昔、「沈黙の春」を読んだ、悲鳴をあげているうちはまだ生きている証があるが、鳥も鳴かず虫が飛ばなくなってしまったら、もう遅いのかも知れない。最近ネットで気になる記事を読んだ、アメリカで在来種の蜜蜂が絶滅したらしい、もしかしたらこれが終わりの始まりかも知れない。
と、書き進めたが、でも人間はそれ程馬鹿ではないと信じたい。地球の未来は若者にかかっている、鳥が鳴かなくても我々には音楽がある、歌がある、希望の音で世界を救えると信じたいと思っているが、明日はトランプ氏の大統領就任式。少し困った、いやいやそれでもやっぱり希望を捨ててはいけない、人間の知恵と明るい未来を信じながら、音楽をやり続けよう、皆んなで「希望の世界を目指して」頑張ろうね。

(服部 克久)

[ 編成 ]

Piccolo
Flute
Bassoon

B♭ Clarinet 1,2

E♭ Alto Saxophone 1,2
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone

B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass

Percussion(Suspended Cymbal / Snare Drum / Bass Drum / 4 Tom toms / Hi-hat Cymbal / Xylophone)

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