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クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル

クリスチャン・ツィメルマン

バーンスタインやカラヤンがその才能を絶賛するポーランド人のピアニスト。
透明感と深みのある美しい響きで世界を魅了し続け、現在世界で最も高い人気と実力を誇るピアニストの一人です。

 

 

曲目

・「6つのパルティータ」より第2番 ハ短調 BWV826 / J.Sバッハ
・ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111 / ベートーヴェン
・ 4つの小品 作品119 / ブラームス
・ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10 / シマノフスキ

 

 


プロフィール

クリスチャン・ツィメルマン (Krystian Zimerman) −ピアニスト−

ポーランドのサブジェに生まれ、毎日のように音楽家たちが集い、主に室内楽を楽しむといった家庭環境によって、早い段階から音楽に傾倒していった。
彼はまず父親から音楽の初歩を教えられ、7歳になると、当時カトヴィツェ音楽院の上級講師だったアンジェイ・ヤシンスキの元で、体系的に音楽を学び始めた。

 

彼はコンクールに対して格別な興味を示していたわけではなかったが、コンサート・ピアニストとしてごく当たり前に成長していく過程で、権威あるコンクールの最高位を次々と獲得していった。
中でも、1975年ショパン国際ピアノ・コンクールで優勝して一躍有名になり、世界各地で活躍するようになった。

 

25年間に及ぶ演奏活動をひときわ特徴付けているのは、ファンとの密接な関わり方であり、いかなるツアー先にも必ず顔なじみのファンの姿がある。また、10年前からどの演奏会にも必ず自分のピアノを持ち込むというこだわりも、広く知られるところとなっている。愛用のピアノは、ピアノ制作の専門知識(カトヴィツェで習得し、その後ハンブルクのスタインウェイ社との共同研究で深められた知識)を駆使して自ら調整し、完全に自分の手に馴染ませた楽器である。彼は、常にこの信頼できる楽器を用いることにより、あらゆる雑念を最小限に抑え、演奏だけに集中することを可能にしている。

 

彼は比較的若い時にヨーロッパ音楽の主流を学んだおかげで、単なる「ショパン弾き」になることを免れた。またこのことは「音楽を、それが生まれた場所と文化の中で演奏したい」という強い願望を芽生えさせ、以来彼は、フランス人の作品はパリで、ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルトの作品はウィーンで、ブラームスの作品はハンブルクで、アメリカ人の作品はニューヨークで(しかもバーンスタインの作品は作曲者の指揮で)といったこだわりを持ち続けている。
ルトスワフスキがピアノ協奏曲を捧げた時も、ツィメルマンはこのコンセプトに基づいた演奏を強く希望し、国際現代音楽祭「ワルシャワの秋」で、作曲者を指揮者に迎えて演奏を行った。

 

自身も語っているように、多くの卓越した音楽家たちに出会えたことは、彼にとって非常に大きな幸運であった。室内楽では、ギドン・クレーメル、チョン・キョンファ、ユーディ・メニューインなど、指揮者では、レナード・バーンスタイン、ヘルベルト・フォン・カラヤン、小澤征爾、リッカルド・ムーティ、ロリン・マゼール、アンドレ・プレヴィン、ピエール・ブーレーズ、ズービン・メータ、ベルナルト・ハイティンク、サイモン・ラトルなど、名だたる音楽家たちと共演を重ねている。さらに、クラウディオ・アラウ、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、アルトゥール・ルービンシュタイン、スヴャトスラフ・リヒテルといった、上の世代の巨匠たちと親交を深めたことも、音楽的な成長に大きく貢献した。また彼は、オルガン演奏にも並々ならぬ熱意を示し、さらには指揮法にも精通している。

 

ツィメルマンは現在、演奏会や室内楽、バーゼル音楽院での後進の指導にと、多忙な中で時間をやりくりしている。そして彼は、自らの音楽活動に総括的に取り組むこと、つまり、コンサートのマネージメントから、ホールの音響効果、最新の音響テクノロジーの研究、そして楽器の制作に至るすべてに自分自身が関わることを目指している。加えて、自然科学一般、心理学やコンピュータ科学も学んでおり、その知的好奇心はとどまるところを知らない。

 

彼は録音においても、すべてを自分自身がコントロールするという姿勢を貫いている。ドイツ・グラモフォンとの30年に及ぶコラボレーションでは、22枚もの作品が世に送り出され、それらによって数々の権威ある賞を受賞している。
1999年には、ショパンのピアノ協奏曲全2曲の録音を、この企画のために特別に結成されたポーランド祝祭管弦楽団とともに行った。さらにその後、彼は同楽団を率いて、ヨーロッパ各国とアメリカをめぐるツアーを敢行し、この2曲を演目として、ショパン没後150年を記念するコンサートを開いた。また最近では、ラトル指揮/ベルリン・フィルとの共演で、ブラームスの協奏曲第1番の録音を行っており、これは批評家たちの大絶賛を博している。

 


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