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われわれは、死は身体が無に帰すことで、自己が永遠に消え去ることだと一般には考えている。
しかし、離人症にかかると、知覚や知能は正常なのに、「自分がなくなった」「自分というものが実感として感じられない」などと訴える。
離人症は疲れたときなどだれでもなる神経症である。花を見ても美しいと感じる感情が欠けている。花と私はいる。
しかし花を見て美しいと感じている自分がそこにはいない。かくして、離人症は自己というものが、身体という物体ではなく、
その都度自分を感じるという出来事にあることがわかる。