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今回は、ご遺族から寄贈された遺書や日記、写真などを中心に、藤枝静男の文学とその人について、改めて紹介します。とにかく、浜松には、すごい作家がいたのです。それを、皆様に分かっていただきたくこの展示を企画したと言っても過言ではありません。藤枝静男『私』には、何者にも姿を変えられる変幻自在の精神が宿り、それぞれの作品の中で、強烈なメッセージを放っています。作品、作者自身ともに一筋縄ではいきませんが、こんなにも真面目に内心の欲求にそって作品を書いた作家はいないでしょう。現代文学史上、希有で特異な位置を占める作家が、この浜松にいたことを私たちは、知らねばなりません。藤枝静男の心奥を想像しながら、一つ一つの展示品をみていただきたいと思います。藤枝静男の存在が、皆様の心に刻まれその作品が読み続けられることを心から期待します。