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市民ミュージアム浜北 体験講座「見返りの鹿はにわ作り」

2021.02.05

1/31(日)、市民ミュージアム浜北の体験講座『見返りの鹿はにわ作り』を開催しました。
市民ミュージアム浜北に展示されている「見返りの鹿」埴輪をモデルに
自分だけのミニ埴輪を作ってみようという講座です。

埴輪を作る前に、まずは市民ミュージアム浜北の2F歴史資料館へ。
実物の「見返りの鹿」埴輪の前で、浜松市地域遺産センター・浜松市文化財課職員の
鈴木京太郎さんにお話をいただきました。
「見返りの鹿」が出土した当時、辺田平1号墳の発掘調査を実際に担当された鈴木さんのお話に、
ご参加の皆さん興味深々のご様子で耳を傾けていました。

「見返りの鹿」について学んだあとは、いよいよ埴輪作りの開始です。
最初に、講師で陶芸家の綿貫静香さんより四角形の板状の粘土が配られました。
粘土を型紙に合わせてヘラでカットし、細く棒状にした新聞紙を芯にして形をつくっていきます。
最初は2本の筒。まるでちくわのようですが...
それをグイっとU字に曲げると...?胴体部分が出来上がりました!
そこに、首と頭の部分を作ってくっつけると、鹿らしい形の出来上がり。
あとはバランスを見ながら、各部分の大きさを調整していきます。
実物の写真を参考に目・鼻・口を作り、角やしっぽも付けていきます。

陶芸で、今回の鹿のように足の長い動物の形を作るのは、実はとても難しいそうです。
短時間で一度に作ろうとすると、胴体の重みで長い足はつぶれてしまいます。
今回のミニ埴輪は実物とは作り方が異なりますが、
綿貫さんは、難しい鹿を2時間で作れるように、方法を考えてくださいました。

本物の「見返りの鹿」は全長80cm、高さ90cmと、かなり大きいのですが、
前半の講師の鈴木さんによると、部分ごとに作って乾燥させたあと組み合わせて作られていたようで、
高度な技術と手間が必要なため、専門の職人が作っていたと考えられているそうです。

皆さん2時間ノンストップで集中して作っていました。
胴体と、見返っている首・顔の形や大きさのバランスを取るのが難しいようで、
粘土を足したり減らしたり、作り直したりと、何度も調整していました。
約1500年前、本物の見返りの鹿埴輪を作った人たちも、
きっと試行錯誤しながら苦労して完成させたことでしょう。

作った埴輪は、この後、1か月かけて乾燥・焼成させて完成です。
焼いて「はにわ色」になって戻ってくるのが楽しみです。

今回は、新型コロナウイルス感染症対策のため、定員を減らしての開催となりました。
今後も対策は充分に行いながら、子どもたちや大人の方に学び楽しんでいただける講座を企画していきます。
どうぞお楽しみに!


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