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Series No.98 岡本 誠司

2015年5月31日に行われたアフタートークの様子をご紹介します。

Q.プログラムにヨーロッパの舞曲が多く、アンコールも含め、日本の曲を演奏されなかったのはなぜですか?
岡本:まさにその通りでちょっと反省しているところなのですが、以前60分のソナタのプログラムのみで東京のほうでコンサートをさせていただいた時、どのような曲を入れようかと考えました。山中さんはピアノもヴァイオリンも演奏されますが、作曲が主な分野として活躍していらっしゃって、そこで山中さんに「何か1曲を舞曲のスタイルで書いてもらおうか」という話をしたまま、山中さんもとてもお忙しく、どこかに忘れ去られてしまったようです(笑) 次回やる時はぜひ、日本の曲も含めながらやっていきたいかなと思います。

Q.芸術家のお二人が最近感動して涙したことは何ですか?
岡本:日々、楽器を練習して音楽の事を考える中で、なかなか他の事をする時間やゆっくり過ごす時間がとれなかったりしています。音楽を表現するうえで喜怒哀楽の感情はとても大切だと思いつつ、バタバタしているので、そこは難しいバランスでもあります。でも元々、映画を観たり本を読むのが好きなので、それほど多くはないのですが、ウルッとくることがありますね。
山中:あまり音楽を聴いて泣くという事がなくて、感動はするのですが、それが涙として出ないですね。でも、人生に一度くらいはあります。中学3年生頃に、周りが音楽をやる環境になかったので、テレビドラマの音楽にすごくハマっていて、将来こういうものを書く人になりたいと思ったのですが、サントラを聴いて、何でこんなにいい曲が書けるのだろうと涙が出そうになりました。でも、泣く人は、周りの友達でもかなり変わった友達がいて、感受性が豊か過ぎてしまうと、絵と対峙しただけで2時間くらいそこで泣いていたとか、そういうのを聞いたことがありますが、僕はそんな事はないです(笑)

Q.お二人の出会いは?
岡本:山中さんがヴァイオリンなどのピアノ伴奏をよくやられているのを、僕が芸大の付属高校に入った時から、何度か(山中さんの)ソロコンサートのチラシや動画を見ていました。ただ、実際に会って一緒に何かをするという事になったのが、僕が大学1年生の頃なので2年くらい前になりますかね。山中さんの企画でクリスマスソングメドレーのようなおしゃれな曲を作っていらっしゃって、その編成に僕も声を掛けていただいて、ひょんなところから知りあって一緒に弾くようになりました。特に今年に入ってからは、頻繁に一緒に演奏させてもらっていて、1月に今回と同じプログラムを都内のコンサートホールでやらせていただいた時もありました。また、今月にも『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭 2015』で45分の公演を一緒にさせていただいて、今日の公演や小さなものもいくつかありました。それから、ヴァイオリンを弾くという事で、弦楽器に対する理解というか、単純に音の出る仕組みもそうですし、呼吸の取り方・間の取り方など、ここが難しいだろうなという予測とか、ここは速くいってしまってもいいんだろうなという計算というか、感覚をお持ちなので、弾いていてとても弾きやすいですし、なおかつ面白く弾くことができます。
山中:よく出来た後輩ですよね(笑)先ほど、僕は中学からヴァイオリンを始めたと言ったのですが、それは部活で始めたんですね。もうその頃には彼は小学4年生か小学5年生で有名人だったので、全国的に全日本学生音楽コンクールや上の大会でも良い成績を取っていたので、それがニュースで流れるわけです。それで僕はヴァイオリンに全く興味がなかったのですが、自分がヴァイオリンを始めて興味を持ちだして色々調べていたら、そういうサイトがあるのですが、岡本誠司くんが「○○○○大会で1位になりました!」と書いてあって、「へぇー」と思って。僕は中学1年生から始めて、最初は全然弾けないんですね。でももう小学4年とか5年の頃にそういう大会でバリバリ優勝していてすごい奴がいるなと思っていたのですけど、僕はそれから作曲の道に行って大学に入りました。東京芸大と東京芸大付属高校は同じ敷地内にあるんですね。それで学校内に掲示板みたいなものがあって、チラシが色々貼ってあり、そこに「岡本誠司(ヴァイオリン)」と書いてあって、どこかで見たことがあると思って、それからあれよあれよという間に大学に(岡本誠司くんが)入ってきて、生で見た時に「うわぁ! 生誠司だー」と思って(笑)。僕はヴァイオリンオタクで、あらゆることのヴァイオリンが大好きで、楽器のなかでもヴァイオリンが一番好きなので、ヴァイオリニストの名前もたぶんヴァイオリンを弾いている人よりも知っているくらい。例えば弓の種類とか弦の種類とか、楽器がいくらだとか大体分かるんですけど。
岡本:確実に僕より詳しいと思います(笑)
山中:それくらいオタクだったので、まさかこういう人と一緒に弾けるなんて思っていなかったので光栄です。
以下は、当日のアフタートーク中にお聞きできなかった質問を、後日、岡本さんにご回答していただき、掲載しております。

Q.プログラムの曲選びに工夫していることは?
曲選びはとても楽しいですが、時には非常に迷ったりもします。コンサートの長さや趣旨によって変わってきますが、定番の名曲と皆様に新たに知っていただきたい素晴らしい曲は両方欠かさず入れて組むようにしています。時にはロマン派の作品のみ、ドイツの作曲家の作品のみ、はたまた舞曲のみといった一点集中型のプログラムを組むこともあります。

Q.バッハ以外の好きな作曲家は?
ドイツロマン派の作曲家、特にブラームスが好きです。また、プロコフィエフやショスタコーヴィチなどの近現代の作曲家も好きです。

Q.楽器を始めたきっかけは?
3歳の時、近所の一歳年上の女の子にヴァイオリンを弾いていることを弾き真似しながら自慢(?)されてとても羨ましく思い、両親に"僕もこれやりたい"と言ったのがきっかけでした。

Q.ヴァイオリニストになりたいです。どうしたらなれますか?また、一日何時間練習しますか?練習が嫌になった時はどうしますか?
たくさんの事を経験して、いろいろな方のアドバイスも聞いて、それらを吸収して自分のやりたい音楽、表現したいことが出てきた瞬間から、もう"ヴァイオリニスト"と言えるのではないでしょうか。もちろんその表現したいことを表現できるようになるためにはたくさんの練習が必要で、そこが一番大変な作業でもあるのですが。
本番前としばらく本番がない時では練習時間は大きく変わることもありますが、どんな日でも少なくとも1日3時間はヴァイオリンを触るようにしています。多い日だと10時間くらい練習したりも。
練習が嫌になった時は思いっきり気分転換をすることが多いです。スポーツ(特にサッカーが好きです)をしたり、美味しいものを食べたり、サイクリングしたり、ショッピングをしたり、映画を見たり、などなど。


Q.外国に留学または移住するとしたらどこの国に行きたいですか?
留学としてはドイツかオーストリアのあたりを考えています。
住んでみたい所となると、北欧か地中海沿岸ののんびりとした所がいいなあと思ったり。


Q.練習中に集中が切れて、自分の音を自分の耳で的確に判断できなくなったり、別のことを考えながら弾いてしまったりすることはありますか?またもしあれば、そういう時はどのように対処していますか?
疲れている時や眠い時はぼーっとしながら練習してしまう時も多いです。そういう時は思い切って気分転換をしたり、20分だけ寝てみたりします。また、その曲のピアノパートを弾いてみたり、練習する曲を変えたりすることで気分を変えることもあります。

Q.ヴァイオリン以外に弾ける楽器はありますか?
6歳からピアノをやっています。時にはヴィオラを弾くこともありますし、中学生の頃からピリオド楽器(古楽器)にも興味を持って勉強をしているので、バロックヴァイオリンも練習しています。

Q.好きな食べ物は何ですか?
美味しいものには目がなく、好き嫌いも特にはないので、美味しい食べ物屋さん情報は常に収集しています!笑。最近のマイブームはつけ麺です。

Q.バッハコンクール優勝の前と後で、何か変わったことはありますか?
コンサートの数が増えたことがとても嬉しいことです。その分、演奏する曲数も増えて忙しくはなりましたが、幸せを感じています。
たくさん経験を積んでより多くの人に演奏を聴いていただけるように、これからも頑張ります!

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