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Series No.112 岡本 拓也

2018年2月25日に行われたアフタートークの様子をご紹介します。

Q.そのギターはお気に入りのギターでしょうか?何年くらい使っていらっしゃるのでしょうか?
このギターは今井勇一さんという日本の方のギターです。東京の中野で製作されている方で、2016年12月に作っていただきました。なので、1年ちょっと使っています。お気に入りのギターです。

Q.これだけ幅広い年代の作曲家を弾く時は、ギターの種類、例えばバロック用、現代用、といった感じでギターを2・3種類使うというのはどうですか?
自分も常に問題にしている質問だと思うのですが、やっぱり一つのコンサートで違う時代の曲を、一つの楽器で弾き分けられるというのも、演奏者の力かなと思うので、極力一つのコンサートは一つの楽器でやりたい、という風に考えています。そして、例えば二部の最初に弾かせていただきましたリュートのための曲は、横から弦をすくい上げるような感じにするとリュートっぽい弾き方になるので、必然的に音もリュートっぽくなります。そういう風にちょっと研究しながら自分で弾き分けています。楽器は一台ですね。

Q.僕自身もクラシックギターをやっていて、そういう学校に入って発表会には何回か出ているのですが、いまだに指が震えて満足に弾けることがありません。どうすればいいですか?
僕もこのコンサートの最初5分くらいは指が震えておりましたが、何とかそれを自制して挑んでいました。毎回緊張というのは自分にとって大きな壁・問題で、それを克服するためには何が問題なのか、ということを二十歳過ぎたころにすごく考えました。そしたら、自分の場合は記憶の問題、たまにど忘れする、ポンと飛んでしまう、そういう時にどうしたらいいか、自分の場合は弱点がそこだったので、どの小節からでも当たり前に弾けるようにするとか、夜寝る前にベッドの上で寝転がって指だけ想像するとか、音符を全部並べてみるとか、そういうことをやったら比較的強くなったと思います。あと、やっぱり皆さんが出来ると思うのは、座って心拍数が落ち着くまで、そして手に血液が行き渡るまでこうやって手を下ろして、しばらく深呼吸するというのも一つだと思います。

Q.1曲目の「フリア・フロリダ」という曲で、解説を読むと「旅先で出会い一目惚れした女性ロドリゲス・フロリダに捧げたものです」という曲の意味が良く分かったのですが、そういった女性を思い描きながら演奏されているのでしょうか?
その作曲者が描いた情景を、それに近いものを想像するのは、演奏者の任務だと思うので、やはり、あくまでも自分の味は出しますけど、表現者として仲介役として挑んでいるつもりです。なので、やはり時代背景や、その作曲者がどういう状況で作った曲なのかは常に想像しながら、自身に入れながら弾いているつもりです。

Q.現在留学されているウィーンでの生活を聞かせてください。
ジャガイモが主食です。スーパーに行くとバケツで5キロとか10キロとか売っていたりするので、バケツほしさに最初それを買ったりしていました。
自分のモットーとして現地に行ったら現地の習慣や文化を尊敬して、まずはそれに従ってやってみるというのがあるので、最初は文化の違いや感覚の違いにすごく戸惑いました。だんだん慣れ、生活も上手くいっています。自炊はどうしているのと聞かれると、かなりひもじいというか、みっともないものを食べているので、そんなに大きな声では言えないのですが…料理が下手です。
音楽の事に関しては、やはりウィーンというのは音楽の都と言われますよね。そうすると、ヨーロッパ中、世界中から一流のアーティストが毎日のように来てコンサートをやるので、学生の特権で、立ち見だと500~600円くらいで気軽に入れたりします。そういう機会が毎日たくさん転がっていますので、いいものを聴く・見る美術館もありますし、機会がたくさんある街だと思います。


Q.爪の手入れはどうしていますか?
お気づきの方がいらっしゃったと思いますが、弾いていくうちに小さなところが削れたりするので、爪の表面ではなく断面を磨いていく、そうすると弦の当たりがなめらかになるので、常に磨くようにしています。自分の場合は、幸い爪が割れるとかそういった問題がないです。なかにはマニキュアを塗ったり、補強したりする人もいると聞きますね。煮干とか牛乳とかカルシウムとか、そういうものは多少気をつけているかもしれません。

Q.右手と左手が別人のような指をしている岡本さんですが、右手がすごくきれいですね。
ちなみに左手はどんな感じですか?

ごつごつですね。やっぱり弦を抑えるので指先はコーヒー豆みたいに横線がピッと一本入っています。ギターダコができて、ごつごつですね。
右手は爪と指で弾くので…白魚のような(笑)。爪が長いだけです。

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