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【ピアニスト】イリヤ・ラシュコフスキー


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第8回浜松国際ピアノコンクールの優勝者ツアーとして2013年は国内・海外合わせて24公演を開催

私の演奏を聴きながら、音楽のおかげでいかに人生が楽しくなるか、心が温まるかを感じていただければ大変嬉しいです。

ピアニスト イリヤ・ラシュコフスキー

2013年2月東京銀座にて

今あらためて振り返ってコンクールで優勝できた理由は何だと思いますか?
自分が今回優勝できたことは、3つの理由があると思います。生まれながらにして持っているもの、それをベースにこの20年間ひたすら研鑽してきたこと、そしてそれらをアウトプットするための理想的な時間と場所が与えられたこと。それと幸運の女神が微笑んでくれたから・・でしょうか。

さらに演奏の魅力を高めるためにどのようにしていきたいですか?
能力や魅力を高めていくことに終わりはありません。自分に関して言えば、ピアノの魅力を100%引き出すための最良の方法、音のバラエティや音色のことなど、まだまだ未熟な部分がたくさんあります。もっともっと練習してこそ、さらなる魅力を引き出していけるものだと思います。

興味のあるほかの音楽ジャンルはありますか?
クラシック音楽のピアニストの多くが興味を抱くのが‘ジャズ’です。もちろん逆に全く受け付けないピアニストもいます。私も子供の頃にジャズと出会い、興味を持ちました。今でも練習をしていますよ。難しいので少しずつではありますが、進歩はしていると思います。。

現在住んでいるフランスはどんな国でしょうか?
自分の生まれ故郷のロシアは、音楽家の私からすれば、音楽家に代表される国だと思います。「最近ロシアに帰りましたか」という質問をよく受けますが、実はかなり長いこと帰郷していません。(今年の4月に久しぶりにコンサートのためモスクワに行きましたが)でもラフマニノフの交響曲第二番のスローな楽章を聞いていると、まさに自分が今ロシアにいるような気持ちになってしまうのです。それまでロシアの音楽しか知らなかった私は、ドイツでベートーヴェンやバッハと出会うことになります。ドイツはこれまでとは全く違うクラシックの世界へアクセスするチャンスを与えてくれた国です。
パリに3年住んでいますが、印象主義という観点から特にパリは刺激的な街だと思います。

ピアニスト イリヤ・ラシュコフスキー

浜松の印象をお聞かせください。また、浜松でのエピソードがあればお話ください。
あまり浜松のことは詳しくないのですが、コンクールで滞在してみて、本当に心地よく、集中するのにベストな場所だと感じました。そんなに大きな街ではないけれど、見所がたくさんありますね。エピソードはいくつかあるのですが、最も嬉しかったことは、コンクールに優勝したことによりメディアへの露出が多くなったためか、コンクールに来なかった人にまでも路上で話しかけてもらったり、一緒に写真を撮ったりしました。またランチを食べにいったお店では、スタッフがプレゼントまで下さったんですよ。

今後自分がピアニストとして目指していることは?
ピアニストとして決して失望したり諦めたりしないということです。できる限り多くのコンサートで演奏するのが主な目標ですが、ピアニストはピアノだけ弾いていればいいのかと問われたら、「それだけでは決して充分ではない」と答えるでしょう。では充分といえるために何をしているかと言われれば、この年になってもまだこれぞというものがありません。これは私の夢でもあるのですが、作曲や指揮といった領域にも挑戦してみたいのです。今後指揮を学ぶためのショート・コースに参加することを考えています。

コンクールを目指すピアニストへメッセージをお願いします。
コンクールで演奏するということは、偉大な作曲家による音楽遺産を共有するとういうことで、そのためには作品を完全に掌握せねばなりません。その結果が聴衆の心を掴むのです。音楽で人々を幸せにすることを思い、コンクールに向かって研鑽してください。

優勝者ツアーに向けて、意気込み等をお話ください。
私の演奏を聞きにきて下さる方に少しでも良い演奏をお届けできるよう準備をしています。私の演奏を聴きながら、音楽のおかげで、いかに人生が楽しくなるか、心が温まるかを感じていただければ大変嬉しいです。たくさんの人にお会いすることは大変刺激的であり、自分のパワーの源でもあります。皆様にお会いできることを心から楽しみにしています。

ピアニスト イリヤ・ラシュコフスキー

第8回浜松国際ピアノコンクール入賞者披露演奏会での演奏

ピアニスト イリヤ・ラシュコフスキー

1984年シベリアのイルクーツクに生まれる。5歳よりピアノを始め、8歳でイルクーツク室内オーケストラと共演した。1993年、シベリア・ノボシビルスク特別音楽学校に入学し、レベンセン教授に師事する。1995年にはイタリア・マルサラ市の国際コンクールに優勝。以降、ノボシビルスク音楽院でリサイタルを数回に渡り開いている。1998年、ウラジミール・クライネフ国際コンクールに優勝し、本格的な演奏活動を展開。同年、ロストロポーヴィチ財団の奨学金を授与され渡仏、コルマールやキエフの音楽フェスティバルに招かれ、マエストロ・カッツや、ミコラ・ダイダユラ、キエフ交響楽団とも共演を果たした。

2000年ドイツ・ハノーヴァー音楽学校に入学、ウラジミール・クライネフ氏に師事。また、現在はパリのエコール・ノルマル音楽院にてM.リビツキに師事。

2001年、ロン=ティボー国際音楽コンクールのピアノ部門で第2位に耀く。また、2005年、アシュケナージが審査員長を務める香港国際ピアノ・コンクールで優勝。2007年エリザベート王妃国際音楽コンクールで4位入賞。2011年ルービンシュタイン国際ピアノコンクール第3位受賞。2012年ピネロロ市国際ピアノコンクール(イタリア)優勝。他にも多くのコンクールで入賞歴をもつ。

日本へは2002年に初来日し、サントリーホールで行われた「ロン=ティボー国際音楽コンクール ガラ・コンサート」に出演。ショパンの協奏曲とソナタ、プロコフィエフのソナタを見事に弾き切り、聴衆を圧倒した。2004年2月に再来日し、各地でのソロ・リサイタルにおいても大好評を博した。また、2006年11月には第25回横浜市招待国際ピアノ演奏会に、07年9月には彩の国さいたま芸術劇場“ピアノ・エトワール・シリーズ”に招待され演奏を披露した。08年4月には神奈川フィルとラフマニノフ、チャイコフスキーの協奏曲を共演し、大絶賛を博した。

2012年11月に開催された第8回浜松国際ピアノコンクールにて見事優勝を果たし、聴衆賞、札幌市長賞も受賞した。
ロマンティックで繊細、そしてダイナミックで野性的な表情を自在に表現し、音楽性の高さ、卓越した技巧を日本の聴衆にもアピール、絶大な支持を得る。また、音楽的な実力に加えて、端正な容姿も魅力のひとつ。

イリヤ・ラシュコフスキー優勝者ツアースケジュール